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結論は「痩せない」。ストレッチのダイエット効果について科学的に調べた。

2021.06.04

  • ストレッチ
  • ダイエット
  • 糖質制限
  • 自律神経

 

「ダイエット効果を期待してストレッチをはじめてみた」

 

という声を聞いてネットでストレッチとダイエットについて調べてみると、

 

「ストレッチにはダイエット効果がある」といった内容の記事がたくさん出てきました。

 

本当にストレッチをするだけで、痩せることができるのでしょうか?

 

ストレッチをしてダイエットに励む男性のイメージ

 

そこで今日は

 

「ストレッチの効果って?ダイエットに影響するのか?」

 

について考えてみたいと思います。

 

今回も医学論文を掘りまくってます。

 

いつものように2行でまとめていますのでぜひ参考にしてください。

 

ストレッチでダイエットはできるのか、論文を読みながら調査しているイメージ

 

 

ストレッチの目的

 

そもそもストレッチってなぜするのでしょうか?正しく理解しておきましょう。

 

「ストレッチ=伸ばす」という言葉どおり、ストレッチとは筋や関節を伸ばす運動のことです。身体の疲れをとったり体調を整える目的で行われます。

 

また、ストレッチにはリラックス効果もあります。

 

ストレッチをすると自律神経を整えることができるからです。

 

 

目覚めのストレッチで自律神経を整えリラックスしている女性のイメージ

 

わたしたちのカラダは基本的に

 

日中=戦闘モード(交感神経)
夜間=リラックスモード(副交感神経)

 

このように働く・休むを繰り返しています。

 

そしてその指示を出すのが「自律神経」です。

 

自律神経は交感神経と副交感神経をコントロールしていることを表した図

 

自律神経はわたしたちの意思に関係なく、戦闘モードとリラックスモードを選びます。スイッチのようなものと考えてください。

 

例えば、心臓をとめて!と言われても、わたしたちの判断で止めるとこはできませんよね。

 

それと同じで、本当はリラックスモード(副交感神経)に入りたいと思っていても、ストレスを抱えていたり、生活バランスが崩れていると、自律神経が戦闘モード(交感神経)にスイッチしてしまいます。

 

 

交感神経(アクセル)と副交感神経(ブレーキ)の特徴をあらわした図

 

 

とくに現代人は多くのストレスを抱えていて、カラダを休めることができていない人が増えています。

 

30分程度にわたり全身の筋を順番に伸ばしていくようなストレッチをすることで、副交感神経優位(リラックスモード)になることが明らかになっています。

 

 

【参考記事(信憑度:A+)】
『e-ヘルスネット ストレッチングの効果』
(厚生労働省/2019年)

 

<記事のまとめ>

・ストレッチングとは意図的に筋や関節を伸ばす運動のことで、筋温や体温を高める効果がある。

 

・ストレッチングの前後で脳波や自律神経活動を調べると、心拍変動を増加させ心拍数を低下、副交感神経有意に変化させることが明らかとなっている。

 

 

では本題。

ストレッチはダイエットに効果的なのでしょうか?

結論はズバリ

 

●ストレッチで痩せることはできない
 
●ストレッチと体質改善を組み合わせるのがおすすめ

 

です。少し説明しますね。

 

ストレッチで痩せることはできないと知り憐れむ男性のイメージ

 

ストレッチでは痩せられない理由

 

痩せる=カロリーを消費する

 

という認識でお答えすると、ストレッチで痩せることはできません。

 

「ストレッチ 痩せる」で検索してみるとさまざまな情報が飛び交っていました。ストレッチで痩せるという内容の記事で書かれてあったのは、

 

・ストレッチによって心身がリラックスすることで、ストレスが原因の食べすぎを防止できる。

・柔軟性を上げればカラダを動かすことが楽になる。その結果日常生活での活動量が増えて痩せる。

 

このような内容です。

 

ストレッチでダイエットできるという記事を読んで疑問におもう男性のイメージ

 

たしかにストレッチを行うと厚生労働省の記事にあるように、柔軟性を高めたりリラクゼーションの効果が期待できます。

 

しかし、ストレッチには直接的に体脂肪を燃焼する効果はなく、筋肉を増やして代謝を上げる効果もありません。

 

ですから、直接的に痩せるということにはつながらないのです。

 

ストレッチの目的はおもに

 

⚫︎体の柔軟性を高めること

 

⚫︎準備運動や運動後の筋肉を和らげるために活用

 

⚫︎リラックス効果

 

ですので、健康のためにカラダを動かしたい・カラダを柔軟にして運動しやすいカラダづくりがしたい・リラックスしたいという方におすすめします。

 

 

【参考記事(信憑度:B-)】

『ストレッチにダイエット効果があるというウソ|科学的根拠が示す真実』

(中島健太郎 パーソナルトレーナー/2017年)

 

<記事のまとめ>

ストレッチだけで痩せる(=体脂肪量を減らす)ことは難しい

 

ストレッチは日々の活動量を増やす上での、補助的な役割としては有益である可能性もある

 

 

 

ストレッチと体質改善を組み合わせてみる

 

運動が苦手だからストレッチをしてみよう…と考えていた方もいるのではないでしょうか?

 

実は運動も、消費カロリーだけを考えると1時間のウォーキングでおにぎり1個分(158kcal)しか消費できないんです。

 

ダイエットに取り組みたいけど運動が苦手だという方は食事で体質改善してみるのがおすすめです。

 

詳しくお伝えしますね。

 

ダイエットしたいけれど運動したくない人のための食事改善メニューのイメージ

 

太りにくいカラダづくり

 

「太りにくいカラダ=血糖値を上げにくいカラダ」です。

 

どういうことか?

 

わたしたちが糖質(白米、パン、お菓子など)を摂ったあと、カラダではこんなことが起こります。

 

⚫︎糖質の高いものを食べる

⚫︎血糖値が上昇

⚫︎血糖値を下げるためにインスリンをだす

 

血糖値を下げるために分泌されるのが「インスリン」です。インスリンは、糖を脂肪にかえたり、炎症をおこします。

 

インスリンの働きについて分かりやすくまとめた画像

 

これが太りやすい体質の原因です。

 

ということは「血糖値が上がりにくい=インスリンが出にくいカラダ」になるということですね。

 

ではどのくらい糖質を抑えるべきか?

 

1日の糖質量は150gを目安にしてください。

 

これは現在の日本人の糖質摂取量(1日260~300g)の半分弱に抑えた量です。1食あたり糖質を50gまでと決めると分かりやすいですね。

 

糖質に気をつけて体質改善を行いながら、リラックス・筋肉をほぐす目的としてストレッチをしてみてはいかがでしょうか。

 

 

【参考論文(信憑度:A+)】
『適正な糖質摂取についての考察』

(山田悟 北里研究所病院 糖尿病センター/2017年)

 

<記事のまとめ>

・食後の高血糖と糖化ストレスを防ぐための食事法として、適正な糖質摂取の方法を考察。

 

・糖質制限食は血糖、体重、血圧、脂質といったメタボリックシンドロームの構成要素のすべてに有意な改善をもたらした。

 

 

ロカボが提唱する1日の摂取糖質量をメモするイメージ

 

 

まとめ

 

今回はストレッチにはダイエット効果があるのかについて調べてみました。

 

ストレッチだけで痩せれるなら苦労しませんよね。苦笑

 

また、流行りのヨガやピラティスなどもストレッチの一つです。

 

目的を痩せることに設定しなければ、ストレッチはカラダと心の健康のためにとてもおすすめです。

 

ストレッチをダイエットのためではなくカラダと心の健康のために取り入れて晴れやかな気分の女性のイメージ

 

最後にきょうからできる正しい知識を2つ!まとめます。

 

⚫︎ストレッチは柔軟性を高めたり、リラックスする目的で行う
(ストレッチでは痩せることができない。)

 

⚫︎痩せたいのなら血糖値を意識した体質改善がおすすめ
(糖質を抑えた食事で太りにくいカラダに)

 

 

参考にしてみてくださいね(^^)

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