パソコン作業をしていると目が疲れてくる…
テレワークが増えてから、一日中パソコンの前にいる…なんていう方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなビジネスパーソンに向けて、目の疲れについて原因と対処法をしっかり調べてきました!
いつもどおり!すべて学術論文を調べて裏付けをとっています。
(しかも…論文を2行で完結にまとめていますのでリンク先を読まなくても大丈夫)
この記事を読むのにかかる時間は4分!ぜひ参考にしてみてください。
VDT作業と疲労
VDT作業とはパソコンなどのディスプレイのある機器を用いて行う作業のことです。
厚生労働省が行ったVDT作業での身体的な疲労や症状の調査によりますと、68.6%の方が疲労の自覚症状を感じているとのことです。
症状の回答内訳(複数回答)は以下のとおりです。
・目の疲れ、痛み 90.8%
・首、肩のこり 74.8%
・腰の疲れ、痛み 26.9%
・背中の疲れ、痛み 22.9%
・腕、手指の疲れ、痛み 17.4%
なんと9割以上の方がVDT作業で目の疲れや痛みを感じているんですね!
【参考記事(信憑度:A-)】
『平成20年技術革新と労働に関する実態調査結果の概況』
(厚生労働省/2009年)
<記事のまとめ>
・VDT作業で身体的な疲労や症状を感じている労働者の割合を調査。68.6%が疲労を感じていると回答。
・症状の内容は、目の疲れ、痛みが90.8%と最も多く、首、肩のこりが74.8%、腰の疲れ、痛みが26.9%。
ではどうしてテレワークで目が疲れやすくなってしまったのでしょうか?
目の疲れについて詳しい原因と、対処法についてお伝えしますね!
テレワークとVDT作業時間
テレワークだと一日中パソコンと向かい合いっぱなし…という方も多いのではないでしょうか?
実際にテレワークだと、パソコンやスマホの時間が長くなる傾向にあると言われています。
厚生労働省の調査によるとVDT作業時間が長くなるほど身体的な疲労や症状を感じる労働者の割合が高くなりました。
VDT作業時間が長くなるほど目にも疲れが溜まってしまうということです。
目の疲れの原因
「目が疲れる」ということについて、もう少し詳しく見ていきたいと思います。
下の図を見てください↓
わたしたちが目を使う時、必ずピントを合わせて映像を見ています。
このピントを合わせるという働きは、毛様体筋が水晶体の厚さを変えることで行われています。
つまり、目を使いすぎているというのは、毛様体筋を使いすぎているということなんです。
⚫︎長時間VDT作業をする
↓
⚫︎毛様体筋がはたらく
↓
⚫︎目が疲れる
そして、ピントを調節してくれている毛様体筋は自律神経にとって管理されています。
自律神経をカンタンに説明すると、心臓や血管などをコントロールしている神経です。
心臓は自分の意思で止めることができませんよね?私たちの意思で動かすことのできない部分を自動で動かしてくれています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、これらがバランス良く働くことで体調が保たれます。
目でなにかをみるとき、
近い距離=副交感神経
遠い距離=交感神経
が働いています。
VDT作業がなぜ疲れやすいのか?というと…
近い距離にピントをずっと合わせなければならないから!つまり、副交感神経ばかり使ってしまっているということです。
先ほど言ったように、副交感神経と交感神経がバランス良く働くことで、わたしたちの体調は保たれています。
副交感神経ばかり使うと、自律神経のバランスが乱れて目に疲れがでてしまうのです。
⚫︎長時間VDT作業をする
↓
⚫︎毛様体筋がはたらく
↓
⚫︎自律神経のバランスが崩れる
↓
⚫︎目が疲れる
【参考論文(信憑度:A-)】
『Visual Display Terminal作業時の眼精疲労に対する調節誘導型モニタの効果』
(前田史篤氏ら 川崎医療福祉大学医療技術学部/2012年)
<論文のまとめ>
・VDT作業は多様な視機能異常と眼精疲労を引き起こすことが明らかにされている。
・近年携帯電話や携帯型ゲームなど日常的にVDT作業をする機会が増しており、近見反射の異常が多くみられる。これは副交感神経系の過緊張状態の持続による自律神経機能異常を示唆している。
【参考ブログ(信憑度:B+)】
『これって眼精疲労?目の疲れのセルフチェックの方法と対処法』
(株式会社メニコン/年度不詳)
<記事のまとめ>
・目のピントには自律神経が深く関係している。遠くを見るときは交感神経、近くは副交感神経が優位になる。
・パソコン操作の場合は近くのものを見るため副交感神経が優位になる。このように自律神経のバランスが崩れた状態が長く続くと眼精疲労になる。
目の疲れを抑える
目の疲れを抑えるための方法を2点書きますのでよかったら参考にしてくださいね。
①パソコンの位置と目の休憩
パソコンとの距離が近いとより目が疲れやすくなります。
ディスプレイとの距離は50cm〜70cmほど取るようにしましょう。
また連続したVDT作業も目の疲れの原因となります。
よく目の運動として「遠くの景色をみましょう」と聞きますよね。
近い距離だと副交感神経ばかりを使ってしまうので、遠くにピントを合わせて交感神経も使うように意識してみてください。
そうすることで、自律神経の乱れを防ぐことができますよ。
②自律神経が乱れる習慣を避ける
お伝えした通り、自律神経が乱れていると目が疲れやすくなります。
テレワークなどで、どうしても長時間パソコンを使わなければいけない方も多いと思います。
その場合は、それ以外の時間で目を休ませるようにしてください。
スマホをよく触っている人はなるべく控えたり、夜は照明を暗めに設定してみてください。
まとめ
今回は目が疲れる原因と予防方法をお話ししました。
テレワークの場合はVDT作業時間が長くなる傾向にあります。
その場合近距離のピントを合わせるために副交感神経ばかりが働き自律神経が乱れて目が疲れやすくなります。
自律神経は自分ではコントロールできません。
ずっと集中してパソコンやスマホの画面を見ていると気づいた後は、しっかり目を休めて自律神経のバランスを整えるようにしてください。