「プロテインドリンクって体調管理におすすめなの?」
お客様より質問をいただきました。
プロテインドリンクといえばアスリートやスポーツをされている方がカラダ作りのために飲んでいるイメージがありますよね。
そこで今日は
●プロテインドリンクを飲むと貧血や血糖値に影響はある?
●肝臓や腎臓などの臓器への影響は?
について考えてみたいと思います。
健康意識の高い女性に伺ったプロテインのイメージに関するアンケート結果があります。
プロテインのイメージは「筋肉の増加、栄養補給」といった回答が多かったそうです。
【参考】
(アサヒグループ食品株式会社/2018年)
<記事のまとめ>
・実際に「プロテイン」を飲んでいる人はわずか3割
・飲んでいない人の8割が今後「飲んでみたい」と回答
しかし運動しない人が飲むと
●貧血や血糖値など体調管理の上で問題はないの?
●肝臓や腎臓などの臓器に負担がかかるのでは?
ってお話を聞くことが良くあります。
そんな疑問にお答えするべく今回も医学論文を掘りまくって調べてみました!
もちろんいつものように内容を誰にでもわかるよう2行でまとめましたので!最後までお付き合いください。
血糖値について
血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)濃度のことです。
つまり「血の中に含まれている糖分」のことですね。
なんで血の中に含まれている糖分が大切なのか?って言うと
糖分はエネルギーとして私たちのカラダを動かしてくれるからです。
糖分は炭水化物から出来ており炭水化物は「3大栄養素」のひとつです。
(他の二つは、タンパク質と脂質ですね)
例えば皆さんの職場で夕方くらいに「つかれたからチョコレートを食べよっ」って引き出しからお菓子を取り出す人いますよね。笑
その状態はまさに脳のエネルギーである糖分が不足している状態です。
脳に糖が足りない状態ですので「チョコレート食べたくなれ〜」とカラダに司令が出ているのです。
血糖値が下がることで感じるカラダの症状として
●集中力の低下
●イライラする
●めまいや頭痛
などを挙げることができます。
こういった症状はシンプルに血糖値を上げることで楽になります。
だからついつい甘いものに手をのばしてしまうんですねー。
でも甘いものの取りすぎはダメなんですよね。
●甘いものを食べる
↓
●血糖値が上がる
↓
●血糖値を下げるインスリンを分泌する
↓
●インスリンが糖を脂肪に変える
これが繰りかえされると太りやすい体質になってしまうのです。
血糖値のことは意識していきたいところです。
プロテインドリンクの成分には何が含まれているの?
プロテインは英語でタンパク質を意味します(=Protein)。
つまりプロテインドリンクには多くのタンパク質が含まれています。
商品によりますがプロテイン製品1食分にはおよそ15gのタンパク質が含まれています。
これは成人男性が1日あたりに必要とするタンパク質(約60g)の1/4に相当します。
アスリートのような激しい運動をする方は一般の方(ウォーキング程度の運動習慣)より多くのタンパク質を必要とします。
これはタンパク質が筋肉の修復に使われるから。
ですのでアスリートや筋肉ムキムキの方はプロテインドリンクを飲むんですね。
プロテインを飲むと貧血や血糖値に影響はあるのか?
ここでは一般の方(ウォーキング程度の運動習慣)で考えますね。
プロテインドリンクに入っている主な成分は以下のとおりです。
・タンパク質
・炭水化物
・ビタミン
・葉酸
「ヘモグロビンをたくさん生成して貧血対策をする」って考えた時に必要な主な成分は、鉄分、タンパク質、ビタミン、葉酸です。
おお!すごい!
プロテインドリンクにはみんな入っている!
プロテインにはこれらの成分が含まれますので貧血に影響はないと言えます。
次に血糖値への影響についてはどうでしょうか。
先ほどもご説明しました通り血糖値を上げるのは炭水化物(糖分)です。
実は、、、
プロテインドリンクの中には1食分で数十gの炭水化物が含まれる商品もあります。
(驚き!)
なぜプロテインドリンクに糖分を入れちゃうの?っていうと理由はシンプルです。
プロテインドリンクは不味いからです。笑
健康のために飲むはずのプロテインドリンクなのに糖質が含まれていたら本末転倒です。
前述の説明の通り、糖質で血糖値が急上昇してインスリンが過剰分泌されてしまうと太りやすい体質になってしまいます。
プロテインドリンク飲んで結果として太りやすい体質になってしまいましたって、これほど悲しい結末はありません。
【参考記事】
「栄養成分表示を使って、たんぱく質、脂質、炭水化物をバランスよくとる」
(消費者庁/年度不詳)
<記事のまとめ>
・栄養的な特徴の違う食品を組み合わせて選ぶ
・生活習慣病予防のために食物繊維を十分に摂取する
プロテインを飲むと肝臓や腎臓などの臓器に影響はあるのか?
タンパク質の過剰摂取は肝臓や腎臓に負担がかかる!
このお話よく聞きます。
この都市伝説について調べてみました。
結論はズバリ
●タンパク質が肝臓や腎臓に影響を生じさせる科学的根拠は無い
です。
少しだけ説明しますね。
タンパク質は窒素を含んでおり分解すると窒素が毒性がある「アンモニア」という物質に変わります。
毒性があるのでカラダには有害なわけですが、そのアンモニアを安全な「尿素」という物質に作り変えるのが肝臓の役割です。
(そしてその尿素は腎臓を通って体外に排出されます)
ですので
●タンパク質が多くなる
↓
●肝臓や腎臓がいっぱい働かないといけない
↓
●負担がかかる
っていう都市伝説?が広がったと思います。
【参考ブログ(信憑度:B+)】
「タンパク質も過剰摂取はNG?ネットに広がるウワサを斬る!」
(相模女子大学栄養科学部 柳沢香絵准教授/2019年)
<記事のまとめ>
・摂りすぎで健康障害が起こるリスクは低い
・運動のしすぎによる内臓へのストレスの方がリスク高
またハーバード大学の論文においても、
●高タンパク食は腎臓結石のリスクが高くなる
●脂肪を多く含む高タンパク食は心臓病や結腸ガンのリスクが高くなる
とありますがこちらも「その可能性もあるよね〜」って程度の表現になっています。
【参考論文(信憑度:A-)】
When it comes to protein, how much is too much?
(Harvard Medical School/2018年)
<論文のまとめ>
・常識の範囲内の量を摂取。摂り過ぎは良くない。
・量よりもタンパク質の種類が大切。植物性のタンパク質を多く。
まとめ
プロテインドリンクにはタンパク質が多く含まれています。
アスリートなど激しい運動をする方はタンパク質の補充が必要なためプロテインドリンクを飲むことは問題ないと思います。
また「プロテインドリンクの過剰摂取が肝臓や腎臓などに影響を与える科学的根拠はない」と言っていいでしょう。
ただし含まれる炭水化物によって血糖値の上昇につながります。
摂取量にはお気をつけくださいね。
今日からできる食事の正しい知識を2つ!まとめます。
●1日3食、ちゃんと食事を取りましょう
(朝食抜きなどは血糖値が上がります)
●栄養素のバランスを考えたメニューにしましょう
(栄養素の過剰摂取は体調不良の要因になります)
正しい知識で貧血を撲滅しましょう!