「帰ってきた後の服が汗臭い・・・」
1月で外はめっきり寒くなりましたね。
もちろん厚着をして外に出ますが帰って服を脱いだ時ちょっと臭うなって感じる方も少なくないのではないでしょうか?
汗をかいているからって思いがちですが実は汗自体は無臭なんです。
じゃあなんの臭い?
臭いの原因はいろいろありますがじつは貧血が関わっている可能性があるのです。
このあまり知られていない事実。
そこで今回は
「汗の臭いと貧血の関係」
について考えてみたいと思います。
今回も医学論文を掘りまくっています。
いつものように2行でまとめていますのでぜひ参考にしてください。
汗について
汗は臭うものってイメージはありませんか?
じつは汗自体は無臭なんです。
でも汗は臭いますよね?
汗の臭いの原因のひとつに汗や皮膚の汚れをエサにした細菌による臭いがあります。
また汗は汗腺(かんせん)で作られます。
汗腺には汗に含まれるミネラルを除く役割がありますがうまく働かない場合には余分なものを含んだ汗が出て臭う原因となります。
【参考ブログ(信憑度:B+)】
『汗の基礎知識』
(近藤徳彦先生 神戸大学人間発達環境学研究科/年度不詳)
<記事のまとめ>
・汗をかいたときに発生する臭いは、汗や皮膚の汚れをエサにした細菌がつくり出したニオイ物質である。
・汗腺の働きが悪いとにおいやすい悪い汗が出る場合がある。
では本題。
汗の臭いと貧血はどのような関係があるのでしょうか?
パッと想像ができないためあまり知られていないのかな〜と思います。
結論はズバリ
●カラダの酸素が足りないことで汗が臭う原因となることがある
●酸素が足りずに作られた汗にはアンモニアが多く含まれる
です。
少し説明しますね。
エネルギーと貧血の関係
汗を作り出すためにはエネルギーが必要です。
このエネルギーを作るときにカラダに十分な酸素があるかどうかが汗の臭いに関わってきます。
十分な酸素がある場合のエネルギー源は脂肪酸で十分な酸素がない場合のエネルギー源はぶどう糖です。
酸素があるかないかでエネルギー源が変わるんです。
このぶどう糖を使ってエネルギーを作ることを解糖系(かいとうけい)といいます。
解糖系は酸素が足りず不完全燃焼で行うため乳酸という燃えカスができてしまいます。
そして乳酸が汗の中に増えるとアンモニアも増えてしまいます。
このアンモニアが鼻をツーンとする臭いで汗の臭いの原因となってしまうのです。
(アンモニアって理科の実験にもありましたね、なつかし〜)
貧血は血液中のヘモグロビンが足りていない状態です。
ヘモグロビンは酸素をカラダ中に運ぶカートの役割をしていますので貧血の方は常に酸素が足りていない状態になります。
するとエネルギーが解糖系で作られ汗が臭うことにつながってしまうのです。
【参考ブログ(信憑度:B+)】
『貧血と体臭との関係』
(五味常明先生 五味クリニック院長/年度不詳)
<記事のまとめ>
・貧血では身体の抹消の組織にまで十分な酸素が供給できず、酸素不足になると汗腺は発汗のエネルギーを無酸素下での解糖系という不完全燃焼で行う。
・その結果乳酸という燃えカスが生じ乳酸が汗のなかに増加するとアンモニアも汗のなかに増える。
【参考論文(信憑度:A-)】
『無酸素性代謝閾値 / AT』
(厚生労働省/年度不詳)
<論文のまとめ>
・運動の強さを増していくとき筋肉のエネルギー消費に必要な酸素供給が追いつかなくなり血液中の乳酸が急激に増加し始める。
・酸素の供給が追いつかない場合エネルギー産生は解糖系が中心となる。解糖系では糖質はピルビン酸に代謝される。ピルビン酸がアセチルCoAとなり有酸素運動で消費されない場合ピルビン酸は乳酸に分解される。
汗をかかなければ良い?
汗をかかなければ臭うこともないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
汗をかかないことはよくありません。
汗をかくのは体温を平熱に保つ重要な役割があります。
また汗をかかないと汗腺の働きも悪くなります。
適度に汗をかくことはとても重要なのです。
まとめ
今回は汗の臭いと貧血の関係についてお話ししました。
汗の臭いの原因はいろいろありますが貧血でカラダの酸素が足りなくなることで汗が臭う原因となる可能性もあります。
汗の臭いで貧血を疑う人は少ないと思います。
もし汗が臭うけど原因が分からないと思っている方は一度貧血を疑ってみても良いかもしれません。
今日からできる正しい知識を2つ!まとめます。
●汗が臭うけど原因が分からない方は貧血を疑ってみましょう
(カラダの酸素が足りないことで汗が臭う原因となる可能性があります)
●栄養素のバランスの良い食事を摂りましょう
(貧血はさまざまな体調不良につながります)
正しい知識で貧血を撲滅しましょう!